「神韻縹緲」(しんいんひょうびょう)
この四字熟語は、芸術作品が持つ奥深い味わいのことや、詩文などに極めて優れた趣きがあることを意味している。
まさに渋谷陽一さんのような文筆に秀でた人にも当てはまる四字熟語だろう。
ロッキング・オンという音楽誌を創設した渋谷陽一さんがお亡くなりになったそうだ。
ロッキング・オンという雑誌を愛読していたわけではないが、日本の音楽関係に広く精通されていた渋谷さんなので、私もその名前を何度も耳にしたことがある。
特に印象的だった記憶は、もう20年以上前だと思うが浜田省吾さんの全国ツアーに帯同して、浜田省吾さんに関して出版された本を読んだことだ。
いろいろな角度から浜田省吾さんについて書かれていて、サングラスがトレードマークで、あまりメディアに露出しない浜田省吾さんの人となりなどが詳しく記述されていたので興味深く拝読させて頂いた。
その書き方や表現、様々な面からも渋谷陽一さんの文芸の才能も垣間見ることができる著書だった。「神韻縹緲」を感じる一冊だった。
その渋谷陽一さんもお亡くなりになった。こうして昭和の音楽史がまた一ページ一ページ閉じられていき、やがて平成時代から令和時代へと変遷していくことになる。
昭和の音楽としては、演歌からGSやアイドル、そしてジャニーズなど、令和の今から考えると明るい面・暗い面とあるだろう。
社会全体に活気があったと同時に、表裏一体としてパワハラやモラハラなども混在している時代だった。
それを今の価値観で見て良い悪いと簡単に白黒を割り切ることはできないが、今の令和時代にも続く音楽や芸術が次々と開花した華やかさがあった。
こうして何となく独り言の文章を書く身としても、渋谷陽一さんのような「神韻縹緲」な文章が書けるようになりたいと、これからも文章を書く練習を続けようと心に決めた一日の始まりだ。
「神韻縹緲」(しんいんひょうびょう)