井上尚弥世界タイトルマッチ防衛に学ぶ『鉄心石腸』

『鉄心石腸』(てっしんせきちょう)

鉄のような心と石のような腸(はらわた)という漢字の使い方から、意思や精神が堅固でどんな障害や誘惑にも心を動かされないこと、その意思や精神の強さを意味する四字熟語。

井上尚弥がムロジョン・アフマダリエフを判定で倒して、スーパーバンタム級4団体のタイトルの防衛に成功した。

今回はKO決着ではなかったものの、完璧に相手を封じ込む試合運びで圧倒しての判定勝利。

32歳という年齢で円熟味も増して、単にKOを狙うだけではなく様々な相手のスタイルに合わせて戦い方を変化させることができることを証明した。

それもこれも日頃からの練習やトレーニングの賜物ということだが、まさに強くて堅固な意思や精神を持っていなければ厳しい練習を積み重ねることはできない。

さらに井上尚弥個人にとどまらず、ジムの代表やコーチ陣など周囲のサポーター全員が鉄の心と石のような腸を手に入れるような厳しい環境で練習を続けることが必要になる。

今回の勝利で31戦31勝27KOの負け知らず。

戦前の話題では今回かなり苦戦する可能性を覆して、一方的に圧倒する内容でほぼ完璧に防衛した。

これで次は12月ごろにサウジアラビアでの試合を経てからの、中谷潤人選手との日本人頂上対決が現実味を増してきた。

ボクシング界はタレント揃いな時代となりかなりの注目を集める一方、不幸な事故も続く現状に様々な改革も求められている。

それでも井上尚弥というパーフェクトなモンスターや大谷翔平という二刀流の圧倒的なスターがいると、ボクシングや野球を目指す子供たちもまた改めて増えてくることだろう。

その子供たちも単に人気者を目指すだけではなく、『鉄心石腸』という世の中を生きる上でとても大切な意思の強さも磨いてもらいたい。