「一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う」
群衆は暗示にかかりやすくて、一人が異常な行動をとると他の人もそれにつられて大きな混乱が生じやすいという例え。
八月に入ったことで「七月に大災害が起きる」という予言とも流説ともとれるような話は単なる噂だと証明された。
個人的に、そんな話が広まっていると聞いたのが七月に入ってからだったので、気に留めることもなかったが、一部の人は心のどこかで警戒していたかもしれない。
事実、香港からだか台湾からだかの観光客は、日本では七月に災害が起きるかもしれないという噂を聞いて旅行を控えたため、今年七月の日本への来日観光客は一時的に減少したそうだ。
「一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う」ように、一人の人が七月は日本への旅行は差し控えようと言い出すと他の人にも波及することがあるという、このことわざの通りの現象だった。
人間の心はどこかでいつも不安とか恐怖とか危険回避、安全優先という意思が働いている。だから、一人の人の行いが時と場合によっては他の人にも伝染して混乱が広がってしまう場合がある。
今のSNS時代は真偽不明の情報も多数発信されて、本当に何を信じたら良いのか判り難い。自分の判断が正しいのか安全なのか確証がないため、他の人の行動を判断基準にしてしまうこともある。
だから、まずは人間の心理はそのように頼りないものだと理解して、昔から「一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う」ということわざがあるように、群集心理にできるだけ左右されないような心構えを持っておこう。
最終的には自分の安全は自分で確保するしかない。また、自分の安全を確保するという自助を優先しつつ、共助や公助という次のステップなども意識すると良いだろう。
「一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う」