『可惜身命』(あたらしんみょう)
「惜しむべき身命」という意味で、若い命が失われたり、早くに亡くなったりすることを惜しむ気持ちを表す四字熟語。
古い言葉で「立派だ」「惜しい」という意味の「あたら」に、「可惜(あたら)」の漢字が当てられ、そこから「惜しむべき命」という意味で使われるようになった言葉といわれる。
「可惜」という言葉を始めて知った。
中国語的には「惜しい」「残念だ」という意味で使われる言葉で、日本語の「惜しい」や「もったいない」に相当するらしい。
日本にも古語として「可惜(あたら)」という言葉があり、「そのままにしておくのは惜しいほど素晴らしい」という意味と、「そのままにしておくのが惜しい(もったいない)」という2つの意味を表すそうだ。
そして「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」という「身命を惜しまない」意味の四字熟語に対して「可惜身命(あたらしんみょう)」という言葉が対義語として生まれたということを学んだ。
それにしても、10代20代の男女5人が亡くなるという交通事故はとても悼ましい。これこそまさに『可惜身命』(あたらしんみょう)の心境だ。
若い命を失った方々のご冥福をお祈りしたいし、ご家族には心からお悔やみを申し上げたい。
個人的にも10代のころに、先輩が運転する車の後部座席に乗っていたとき、その車が首都高速のカーブを曲がり切れず外壁に衝突するという事故に遭った経験もあることと、昨日はちょうど安全運転管理者講習だったので、改めて車を運転する危険性と安全運転の大切さを学んだ。
車を運転するときは、まさか自分が大きな事故を起こすことになると思いながら運転する人はいない。
高速道路などが渋滞しているとき、事故に遭った車や故障した車を見ると「明日は我が身」かもしれないと思うようにしている。
それでも事故は起こるし車が故障することもある。
車の運転に対しても災害に対しても、いつでも万一の心構えを持ちながら生活に臨みたいと感じるのは歳を取ってきたからなのだろうか。
今回の大きな事故は、自分たちの車で自分たちが被害に遭ったわけだが、これがもしも自分の車で誰か他人を傷つけたり命を奪うことになったりしたらと考えると背筋が寒くなる。
事故や災害は常にすぐ隣に潜んでいる。
『可惜身命』(あたらしんみょう)の気持ちで若い人たちの命を悼むとともに、自分も事故や災害には万一の気持ちを持って備えたい。
