『乾坤一擲』(けんこんいってき)
さいころを投げて、天が出るか地が出るかを賭けるような勝負をすること。自分の運命をかけるような大仕事、一か八かの大勝負。
語源は唐代の詩人韓愈(かんゆ)の「鴻溝(こうこう)を過ぐ」という詩からつくられたと言われている。
「竜疲れ虎困(くる)しみて川原(せんげん)を割(さ)き 億万の蒼生(そうせい)性命存す 誰か君主に勧めて馬首を回らし 真に一擲(いってき)を成して乾坤(けんこん)を賭けしむ」という一説で、竜と虎は項羽と劉邦を指すらしい。
「乾坤」は天地の意味で、「擲」とは賽(サイコロ)を投げることを意味していることから、天と地を分けるような結果を賭けてサイコロを投げることを表す四字熟語となっている。
2025年の大晦日にRIZINフェザー級王者のラジャブアリ・シェイドゥラエフに「路上の伝説朝倉未来」がタイトルを掛けて挑戦することが決まった。
対戦成績が15戦で無敗、さらにオールフィニッシュという完全王者に挑戦する朝倉未来は結果が天と地に分かれるような『乾坤一擲』(けんこんいってき)の大勝負に臨むことになる。
これまでもかなりの強豪に打ち勝ってきたラジャブアリ・シェイドゥラエフ選手は対戦相手探しに困るくらい強すぎる印象だ。
そこに10周年を迎え10回目の大晦日興業の大舞台で完全で絶対王者に挑戦するのは、日本選手団の中でも格が違う朝倉未来選手という構図になった。
朝倉未来選手にとっては非常にリスクの高い一戦になるが、勝てばもちろんだが負けても彼の評価が下がることはないだろう。
日本人選手の気持ちを背負い、RIZINファンの気持ちを背負い、10周年10回目の大晦日のメインイベントでジャブアリ・シェイドゥラエフ選手に挑めるのは朝倉未来選手以外は考えられない。
勝ち負けの世界ではあるが、榊原CEOがいつも口に出すように、やはり必要なのは「勝ちっぷりと負けっぷり」だろう。
勝っても負けても人の気持ちを震わせる戦いができる選手は決して多くない。
格闘技は厳しくて険しくて非情な世界だが、それだけに人は惹きつけられる世界でもある。
今年の大晦日、この二人以外にも多くの選手が全生命を込めた『乾坤一擲』(けんこんいってき)の大勝負に臨む。
全ての選手に最高のコンディションで臨んでもらうことを期待する。
