「ペルソナ・ノン・グラータ」に学ぶ『浅薄愚劣』(せんぱくぐれつ)

『浅薄愚劣』(せんぱくぐれつ)

思慮や知識が浅く、深みがないこと。愚かで劣っていること、おろかでばかばかしいこと。

高市総理大臣の台湾有事を巡る発言に関して、中国の駐大阪総領事が「汚い首は斬る」とXに投稿したという報道があった。

まさに外交官としては『浅薄愚劣』(せんぱくぐれつ)極まりない発言だ。

これはいかなる事情があろうとも外交官として発言するべき内容ではないと政府を始めとする自民党、他党の議員たちからも一斉に抗議の声が上がっている。

メディアも様々な議員などの発言を報じようと一斉に騒ぎ出した。

そして、「ペルソナ・ノン・グラータ」という聞き慣れないラテン語が飛び交う。英訳すると「Person Not Welcome」で、日本語で直訳すると「受け入れ難い人物」。

その意味は、外交官でも接受国からの要求に基いて、その国に駐在する外交官として入国できない者や、外交使節団から離任する義務を負った者を指す外交用語ということだ。

外交官として自分の発言が及ぼす影響を考えれば、SNSに投稿すべきかどうかは一目瞭然だと思うが、そこは外交の世界なので「戦狼外交」という中国独特の攻撃的外交姿勢だから冷静かつ毅然と対処すべきだという声もある。

確かに、高市総理大臣の発言は中国にとっては好ましくなかったのであろうが、それに対抗するかのように「戦狼外交」的な発言で応酬するとなると、これがエスカレートすれば問題や行き違いも大きくなる。

これによって日本も「ペルソナ・ノン・グラータ」という手段で当該総領事を外交官として離任させれば、お互いの国の報道が国民感情を煽ってエキサイトさせられるような事態に発展しかねない。

口は災いの元である。

私たちもついつい相手の挑発に乗り感情的になったり、行き過ぎは発言をしてしまうこともある。

特に国と国の外交では、片手で握手しても反対側の手は拳を握って戦う姿勢を見せることが必要なときもある。

ただし、私たち一般の社会人は、お互いに冷静に、そしてときには毅然とした対応で、トラブルや行き違いを避けるように努めなければ社会や世の中は成り立たない。

『浅薄愚劣』(せんぱくぐれつ)にならないよう、相手の感情や立場を尊重した発言に努めよう!