『愛月撤灯』(あいげつてっとう)
月光があまりに美しいので、宴会の灯りを消してしまうことから、「ある物事をこよなく愛し、それ以外のものは不要だと考えること」を意味する四字熟語。
月の光が非常に美しかったため、宴会の席の照明(灯燭)をすべて消したという中国の故事に由来して、「月を愛して灯(ともしび)を撤(てっ)す」と訓読もされる。
さらに、物を極度に大事にして過剰な愛情を注ぐことという意味もあり、偏愛の程度が激しいことを表したり、それ以外の物を必要としないという極端な愛情を表現する言葉にもなる。
今夜は2025年のうち最も地球から近い満月となるため、今年最も大きく見える「スーパームーン」になるらしい。
ただし、「スーパームーン」という言葉は占星術の用語で、天文学的には明確な定義がないとのこと。
これまでも帰宅の途中に見上げる夜空に浮かぶ月が異常に大きいなと感じる日もあれば、あれ今日は小さいなと感じる日があったり本当に不思議な感覚もある。
それがいつの日か「スーパームーン」と呼ばれる現象なのかと知るようになり、季節によったり天候によったりもあるけれど、帰宅途中の夜空に浮かぶ月の満ち欠けを楽しめるようにもなった。
今の時代は夜出歩くのも怖くないくらいに明るいのはありがたい。それが昔の時代だと宴会の途中に見上げた月があまりにも美しいので宴の明かりを消して月を楽しもうという言葉には情緒を感じる。
それが、月の明かり以外は不要だという偏愛まで至ると逆に不自由になる気もするので、何事もほどほどに留めたいところだ。
今夜の月は雲に邪魔されることなく楽しめるだろうか?
『愛月撤灯』(あいげつてっとう)
