立花孝志容疑者を逮捕に学ぶ『一水四見』(いっすいしけん)

『一水四見』(いっすいしけん)

同じ一つの「水」を見ても、立場や認識する主体が異なると、それぞれ全く違うものに見えるという仏教の教えを表す四字熟語。

具体的には、人間にとってはただの水だったり、天人には宝石(瑠璃)の池に見えたり、魚には住み家であったり、餓鬼には膿の池(または燃える炎)のように見えたり、同じ水でも四つの見え方があることを意味している。

世界は客観的な一つの現実ではなく、それぞれの人が持つ独自の経験や価値観、世界観によって認識される。

自分の見方が絶対ではないと理解することで、他者の意見や考え方を尊重し、対立を乗り越えるためのきっかけとなる。

だからこそ苦しい状況でも、見方を少し変えることで、新たな気づきや希望を見出すことができるようにもなることを学ぶことができる。

『NHKから国民を守る党』党首の立花孝志氏が名誉棄損の疑いで逮捕された。

名誉棄損容疑の対象は、 元兵庫県議・故人の竹内英明氏への情報発信ということだ。

自分も何かのSNSで見た記憶があるが、竹内氏に関する情報をある程度断定的に語っていたと思う。

立花氏は声量もあるし、独特の語り方で非常に説得力が高いと思う。そんな人が断定的に情報を発信すれば、容易にその内容を信じてしまう人も多いと思う。

そして、今回の逮捕に関する名誉棄損について、竹内元県議の奥さんが刑事告訴をしていたらしい。

これからまずは立花孝志氏が起訴されるのかどうかに焦点が集まっているが、警察も検察も起訴できるかどうか微妙な著名人を逮捕するリスクを熟知しているので、そうそう簡単に不起訴ということにはならないようにも思われる。

立花孝志氏が竹内氏を誹謗中傷し名誉棄損するに至った情報はどこから入手したのか、そこに真実相当性はあるのか。

故人である竹内氏への名誉棄損が成立するのか。

警察や検察は、逃亡も証拠隠滅も口裏合わせもその恐れがない対象をどうして逮捕したのか。

『一水四見』(いっすいしけん)のように、立花孝志氏が逮捕されるという一つの事象を見てもいろいろな見え方になるし、そもそも正義や真実というのはその人によって様々に様態を変えるので非常に難しい。

だから、この『一水四見』(いっすいしけん)という四字熟語の教えにあるように、「自分の見方が絶対ではないと理解することで、他者の意見や考え方を尊重し、対立を乗り越える」という考え方を取り入れることによって、人と人の軋轢のような感覚は軽減できるのではないだろうか。

ただ、人間は「自分だけは損をするのが嫌」という性質を持ち合わせているので、お釈迦様のような境地に達するのもまた難しいことなのだろう。

『一水四見』(いっすいしけん)