「着眼大局」(ちゃくがんたいきょく)
この四字熟語は、物事を広大な視野で全体的にとらて、その本質や要点を誤らないように見抜くことという意味がある。
「着眼」は、目のつけどころや着目点。「大局」は、物事の全体としての動きやなりゆきという意味の熟語で、それらを組み合わせた建付けの四字熟語になっている。
最近、男性トイレに比べて女性トイレが少ないという議論を聞くことがある。この問題は最近起こってきた話ではなく、私などが子供のころから頻繁に目にする現象だと思う。
昔は特に印象的に覚えている光景としては、高速道路のサービスエリアのトイレや映画館のトイレなどに女性がトイレの行列待ちをしていたところ。
今はその頃に比べればかなり緩和されたとは思うが、それでもやはり女性トイレは行列ができる傾向は変わらないと思う。
だからといって、男性側が恵まれているかと言えば、個室トイレ待ちする男性はとても切実だと思う。
自然の摂理を極限まで我慢しつつ、辛抱強く個室トイレが空くのを待つ心境は女性には逆になかなか伝わらないかもしれない。
だから、そもそもトイレスペース問題は男性と女性を比べるということが大局的ではない。男性にも女性にもそれぞれ別の問題があるからだ。
男性スペースを狭くして女性スペースを広げれば解決するわけでもない。そもそも、トイレは生産的なスペースではないから施設側からすれば少しでも狭く済ませたいのも実情だろう。
個人的には、スペースを広げるという議論ではなく、「行列待ちができそうなときには少しでもお互いに配慮して回転を良くしましょう」という呼びかけが効果的だと思う。
以前から公共トイレを綺麗に使えない人は好きではない。自分の家のトイレならともかく、公共のトイレは誰かが掃除してくれているのだ。
その事実に感謝してまずは綺麗に使う。そして、次の人のため無理なく可能な限り時間を短縮する。そんな気遣いがトイレ問題を緩和させてくれるマナーということだ。
そこには触れず、単にトイレ数やスペースが足りないという議論は「着眼大局」ではない。
本当に大切なことや現状を少しでもより良くするには何が必要かを考えつつ、施設において許せる範囲でトイレや休憩スペースを拡充することが優先的な順位付けなのではないだろうか。
このような事例はトイレ問題に限らず、物事を「着眼大局」に考える大切な習慣にできるだろう。
「着眼大局」