隕石と見られる火球目撃に学ぶ『森羅万象』

『森羅万象』(しんらばんしょう)

森羅とは、木々が限りなく茂り並んでいる様子を表し、無数に存在するものや連なっているものを意味する。

万象とは、あらゆる事物、現象、万物、すべての形を意味する。

この二つの言葉を組み合わせることで、この宇宙に存在するすべてのもの、あらゆる現象、「天地間に存在するすべての事物・現象」を意味する言葉として使われるのが森羅万象。

昨夜、日本各地で隕石と見られる火球が目撃された。火球は度々目撃されることがあるけど、今回の火球はサイズが大きかったみたいだ。

隕石が飛んでくる元である宇宙は、私たちの予想しないところで動いていて常に変化している。

そして、宇宙のことを考えるとき、常に頭に浮かぶ言葉が『森羅万象』だ。

『森羅万象』という言葉は、仏教の経典である法句経に由来するとされていて、仏教思想の中で、広大な宇宙に存在するすべてのものを包括的に表す言葉として使われたそうだ。

仏教が確立された時期には現代のような科学が発達していなかったにも関わらず、宇宙で起こっていることと地球上で起こっていることを合わせるすべての事象現象を表現する言葉が作られたことに、昔の人の賢さを感じる。

隕石も気象も台風も地震も人間にコントロールする力はない。そこに無力さを感じるということではなく、世の中や社会、宇宙の大きさを感じ、自分の小ささを感じ、それでも自分自身は自分にできることを前向きに取り組んでいくことが大切だし、それしかできないという自覚とチャレンジ精神を共存させたいと感じる。

すべての『森羅万象』を司ることは神様以外には無理だけれど、そんな宇宙の果てしない広大さに敬意を持ち、同じ時期に地球で暮らす人々に感謝して、自分はできることを必死に取り組む。

それを思い出させてくれたのが、昨日の隕石・火球だった。