マラソンの日に学ぶ『駑馬(どば)も十駕(じゅうが)すれば則ち亦これに及ぶ』

『駑馬(どば)も十駕(じゅうが)すれば則ち亦これに及ぶ』(どばもじゅうがすればすなわちまたこれにおよぶ)

今日9月12日はマラソンの日。

紀元前450年の9月12日、ペルシャの大軍がアテネを襲いマラトンに上陸したのをアテネの名将ミルティアデスの奇策でこれを撃退し、フェイディピデスという兵士が伝令となってアテネの城門まで走りついてアテネの勝利を告げたまま絶命したと言われていることから今日がマラソンの日と制定されたらしい。

『駑馬(どば)も十駕(じゅうが)すれば則ち亦これに及ぶ』は、『荀子』に由来する故事成語で、足の遅い馬でも10日間(十駕)も続けて走れば、1日で千里を走る名馬に追いつくことができる、という意味。転じて、才能がない者でもたゆまず努力し続ければ、才能のある人に肩を並べることができるという、努力の大切さを説いた言葉となっている。

自分は、足のが速くもなく遅くもないタイプだったので、短距離でも長距離でも足の速い人に憧れがあった。

運動会も特に活躍するわけでも目立つわけでもなく、何で運動神経やいろいろな才能の良し悪しがあるのか、世の中の不公平や不遇を感じることもあった。

運動会や学芸会、写生会、書写など本当に子供にとって能力の違いを感じることはとっても厳しい宣告を受けるようなものだ。

だけど、このことわざのように、何か自分にとってできる努力を重ねることで、駿馬に追いつくことができるかはともかく、自分なりの進歩や達成感を得ることは可能だ。それが希望であり、才能よりも大切な感覚だと思う。

ウサギとカメのウサギではないが、どんなに才能に恵まれても上には上がいるし、その才能で飯が食えるようになるとも限らない。

そして、多少の才能では、駑馬のように足が遅くとも努力を続ける者には追い付かれて、抜かれてしまうこともある。

明日から東京で世界陸上が開幕する。世界中からタレント中のタレントが選り抜かれて集まる陸上の祭典だ。

その体力お化けたちの競い合いをぜひとも楽しみたい。

『駑馬(どば)も十駕(じゅうが)すれば則ち亦これに及ぶ』(どばもじゅうがすればすなわちまたこれにおよぶ)