彼岸の入りに学ぶ『善の極まりは孝より大なるはなし』

『善の極まりは孝より大なるはなし』

仏教の言葉で、親に孝行を尽くすことが善行の中で最も価値があって素晴らしいものであるという意味。

2025年の今年は今日9月20日が彼岸の入りになる。ちなみに、9月23日が彼岸の中日となり9月26日が彼岸の明けという日程。

彼岸とは、日本の雑節の一つで仏教行事。春の彼岸と秋の彼岸がある。

そして、彼岸は二十四節気の「春分」と「秋分」を中日として、前後3日間合わせた七日間あって、一年のうち春と秋の14日間が彼岸にあたる。

この期間に行われる仏教行事を「彼岸会」と呼んで、一般的にはこの期間中にお墓参りを行うとされている。

お彼岸の最初の日を「彼岸の入り」、お彼岸の最後の日を「彼岸の明け」と呼んで、中日の「春分の日」と「秋分の日」は国民の祝日となる。

そんなわけで、2025年の今年は9月23日が秋分の日なので今日9月20日が彼岸の入りになる。

子供の頃にはこんな行事や風習には一ミリも興味がなかった。世間がお彼岸だのお盆だのと言っても意味が分からず、「暑さ寒さの彼岸まで」という言葉が少し頭に残る程度だった。

それが様変わりしたのは、やはり両親を亡くしたことがきっかけだった。

それまでの親不孝を深く反省すると同時に、亡くなってからでは遅いことは解っていても少しでも両親への感謝の気持ちを行動にしなければと、お彼岸やお盆、その他の行事や風習にも関心を持つようにした。

もちろん、特別な事情がなければお墓参りも欠かさないようにしているつもりだが、それが両親にとっての親孝行という感覚ではなく、どちらかと言えば自分の罪滅ぼしという感覚になる。

ただ、両親は自分のそんな行動を意に介さないだろう。何をしても広い心で受け止めてくれていたし、逆の立場で自分自身も自分の子供に自分への親孝行を求めないし、自分が亡くなった後にお墓参りや法要を求める気もない。

きっと何にしても自分の心次第ということだろう。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通りに今年もようやく涼しくなってきた。

今までの親不孝を多少お墓参りに行ったからといって帳消しになるわけではないが、『善の極まりは孝より大なるはなし』という言葉と気持ちを次世代に伝えていくことで少しでも罪滅ぼしをさせてもらいたい。

『善の極まりは孝より大なるはなし』