フジテレビ検証番組に学ぶ四字熟語「旧套墨守」

「旧套墨守」(きゅうとうぼくしゅ)

「旧套」は、古い体質や習慣、前例などを指す言葉。

「墨守」は、中国の思想家である墨子が、楚の攻撃から宋の城を何度も守り抜いた故事に由来する言葉。墨子は、自分の主義主張や戦略を固く守り、決して変えなかったことから、「墨守」とは、自分の考えややり方を頑なに守り通すことを意味するような意味の言葉になった。

要するに強烈な成功体験を得て、何も考えずにそのやり方さえ守っていれば上手くいく時期が長く続いた時代や考え方に注意を促す言葉でもある。

フジテレビも日枝体制の基、「フジテレビでなければテレビにあらず」という強烈な成功があったが故にその時代の手法や慣習が長く続き、そしてそれを改めることができないまま現代に至ってしまった。

これは非常に難しい問題でもあると思う。

誰しも強烈な成功を求めるものだし、成功を収めると注意する者も現れなくなり、有頂天となり天上天下唯我独尊になってしまう人も少なくない。

そこで失敗をしたり痛い目にあったり、火傷をしたり、辛酸を舐める経験をすることもあるが、そこから立ち直り這い上がる者が本当の「強さ」を身に付ける。

ここで言う「強さ」とは、単に成功を収めればいいとか影響力や知名度を上げればいいという単純なことではなく、人生には良いときや悪いときがあるということを知り、そんなときに周囲の人がどう自分に接してくれるのかということを体験して、そして自分が本当に大切にすることは何なのかに気付くことだと思う。

そして、それを実践していくことで本当に信頼ができる仲間や家族に恵まれていく過程が本当の「強さ」ではないだろうか。

その強さを身に付けるには「旧套墨守」にならないように常に自分の考え方や行動を客観的に見ていく必要があるだろう。

「旧套墨守」