「お祈りは唱えても、櫂の手は休めるな」
「櫂」とは船を漕ぐときに使うオールのこと。
神だのみだけではなく自分自身も行動して汗をかかなければならないというロシアのことわざ。
船が沖に流されてしまったときに神にお祈りしても助かるわけではなく、お祈りすると同時に自分自身も岸に向かって船を漕がなければ溺れてしまう。
ロシア人は信仰に篤いらしいが、結局最後は自分しか頼れないということや自己責任という冷静な面もあるらしい。
私たち日本にも「困ったときの神だのみ」ということわざがあるが、やはり神様にお祈りしているだけで事態が勝手に好転するようなことはない。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉のように、自分にできることはやり尽くした上で結果は神様次第という心持ちが大切なのだと思う。
それでも世の中は自分の努力だけでどうにかなることばかりではないため、神様に祈りたくなる気持ちも解る。
努力すれば必ず良い結果が出るとも限らない。
時として結果は悲しいほど残酷なこともある。
けれど、尽くした努力は決して裏切らない。そのときには良い結果に結びつかなくても必ず自分の経験値となって何かしらの結果に表れる。
「お祈りは唱えても、櫂の手は休めるな」