大関青安錦誕生に学ぶ『超逸絶塵』(ちょういつぜつじん)

『超逸絶塵』(ちょういつぜつじん)

卓越した才能や俗世間からかけ離れた高みを意味する四字熟語。

「超逸」は、ずば抜けて優れていることを意味して、「絶塵」は塵一つもたたないほど速く走るという意味。「超逸」が才能や人柄を称賛するようなニュアンスで、「絶塵」が他の追随を許さない速さを強調するような構成になっている。

安治川部屋所属の青安錦関が「絶塵」史上最速で大関昇進となり、「超逸」の活躍ぶりを発揮した。

まだ21歳の若者。外国人力士を見るといつも感心することは、しっかりと日本語を自分の言葉として話せるようになっていること。

特に相撲独特のまわしスタイルは、日本人であれば幼い頃からテレビなどで見る機会もあり違和感は少ないかもしれないが、欧米文化で育った人にとっては抵抗が大きいこともあるだろう。

まわしスタイルや髷なども日本文化として、逆に積極的に取り入れ馴染もうとするような考え方でなければ、それでなくても稽古自体が厳しい大相撲の世界では生き延びられない。

そして、青安錦関は現在ロシアと戦争中であるウクライナ出身ということが、また応援したくなる要素にもなっている。

かつてはハワイ出身の力士たちが席巻し、その後も根強く大相撲を守ってくれているモンゴル出身の力士たち、そしてブルガリアやジョージア出身の力士たちも貢献してくれた。

白い肌のまわしスタイルは足が長過ぎて、私たち日本人の体形からするともったいない気もするのが不思議ではあるが、広く世界全体に日本の伝統文化である大相撲を広めてくれるとありがたい。

これからも、大関青安錦も含めた大相撲の世界で稽古に励む若者たちを応援していきたい。

『超逸絶塵』(ちょういつぜつじん)