立秋の日に学ぶ四字熟語「一葉知秋」

「一葉知秋」(いちようちしゅう)

一枚の落ち葉が落ちるのを見て、秋の訪れを知るように、わずかな兆候から物事の大勢を悟ることのたとえ。

今日は立秋で、暦の上では秋に入ることになる。が昨今の夏の厳しさはまだまだ衰える気配がなく、これからも暑い日が続くだろう。「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがある通り、9月も下旬に入るとようやく涼しさを感じられる日が出てくる。

ただ、昨日の夜に道を歩いているとかすかに虫が鳴く声を聞いた。秋に入るのは暦の上だけで、本当に昨日も朝から晩になっても気温も湿度も高く寝苦しい夜だったものの、確かに虫が鳴いていた。

たったそれだけのことではあるけれど、まさに「一葉知秋」の四字熟語の通りに季節の移り変わりを感じる気がした。

そして、日の出や日の入り時刻はもっと顕著だ。

東京では日の出時刻が最も早くて日の入り時刻が最も遅い時期は6月の下旬。要するに夏至のころ。その時期は朝4:25頃には太陽が出て、沈むのは19:00くらいと最も日照時間が長くなる。

それが8月の今の時期で見ると、日の出時刻が4:55くらいで日の入り時刻が18:40くらい。それぞれ20分から30分くらい短くなっている。

暑さは今がピークであるが、一日の日照時間は確実に短くなっていることから、季節の移り変わりを数字の上でも理解することができる。

さらに、「一葉知秋」という四字熟語は単に季節の変わり目を感じるという意味にとどまらず、ちょっとしたことから全体的なことを理解したり察したりするという意味を持つ。

例えば、ニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て重力に気付いたり、アルキメデスがお風呂が溢れるのをみて体積という概念に気付いたりするようなことだ。

私たちもほんのちょっとしら兆候から何かに気付いたり学ぶことができることがある。そんな視点で世の中や社会をみることが大切だと教えてくれる四字熟語。

それが「一葉知秋」。